2009年4月 8日 (水)

サクラサクヒ

設立したばかりの芸能プロダクションからショートムービーの脚本と監督を頼まれた。

自分の映画がまだクランクアップしていないのでやる事は沢山あるのだけれど、社会的な観点から見れば現在無職。忙しくとも無職。たかが無職。されど無職。失業保険が恋しいの。

携帯小説を書いている女の子との共同脚本になるという話で企画は進み、午前中から編集の合間を縫って構想を練ったりなんかしていると、おとついヤフオクで落札したipodが届いた。
韓国製なので無職の僕にも買えてしまうお手頃価格だったのだけれど、説明書がハングルで解読不能な上にボディの裏にもハングルの刻印とか入ってるし。まぁ良いか、説明書なくても何となくわかりそうだし、チュ・ジフンとかソ・ジソブのおかげで韓流人気は未だ健在だし。

これで僕もipodユーザーだとばかりに早速お気に入りの曲を入れてみる。一番最初は何を再生してくれようかと胸を躍らせ、探り探りの操作でボタンを押していると、バロム1のテーマ曲を再生してしまった。ヘッドホンを挿した瞬間、水木一郎の叫び声がズババババァ~ン!と。

「マァ~ッハロットでブロロロロ~、ブロロロロ~、ブロロロロォ~♪」

しかも最大音量で「ぶっとばすん~だギュンギュギュ~ン♪」と罵られひっくり返った。

ここは若者らしくスタイリッシュにいこうと、マクドでポテトを買って公園に行くとあまりにも美しい桜吹雪が辺り一面に。これは良いですね!絶えず降り頻る花びらを浴びながら公園のベンチでフライドポテトとカフェオレ片手に韓国製ipodでニュー・オーダーなんかを聴いてみる。

するとどうだろう!

驚くべき事にその姿はどこからどう見てもニートそのものである。

しかも平日の真っ昼間。公園内にいるのは子供連れの主婦とか暇そうなじーさんとか陽気な外人さんぐらいのもので、その隅っこのベンチでさっきから動かずにじっとしている僕はニートと間違われていただろうに。君たち、そう云ってくれるなよ。ニートじゃなくって無職なんだ。

仮に僕が伊勢谷友介みたいに背が高くて彫りの深い顔立ちをした絵描きさんとかだったらきっとそんな風に思われることは無かっただろうし、初回特典として沢尻エリカみたいな女子大生がマンドリンを抱えて愛想良く告白しに来ただろうし。そんな風に幸せな妄想をしてみたがダメだった。無職の僕は伊勢谷友介にはなれない。無職なので伊勢の赤福餅も食えない。

ああ青春。

近寄ってきた鳩にポテトを配りながら目線を遠くに移すと、短いホウキを持ったじーさんが地面に積もった桜の花びらを手製の平べったいチリトリで集め始めるではないか。頑張るじーさん、一心不乱に花びらを集めるも、せっかく溜めたチリトリの上の花びらはさっきから風に吹かれて減ったり増えたりを繰り返すばかりで一行に溜まりゃしない。そばにいた子供も応戦し、まるでバロム1のように力を合わせて花びらを集めるも風に吹かれて減ったり増えたり。

楽しそうだ。

「僕も入れてよ!」
と、云いたいが、勇気がない。

キャアキャアと花びらを集める子供のお母さんがあまりに可愛らしいんだもん。
子供をダシにして幼な妻に近づく僕の魂胆を見透かされたら、そりゃ恥ずかしいもん。

超人超人ぼく~らの~バ~ロ~ムワン♪

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2009年3月 9日 (月)

つきぬけた

色々なことが順調に整い、3年振りの新作が来週ようやくクランクインする。

今回の企画を立ち上げてから1年もかかってしまった。

兎にも角にも情けない。

大勢の方に迷惑をかけてしまったが、これがようやくクランクイン。
キャスト、スタッフ、その他関係者のみなさま、よろしくお願いします。

山手線の最終に乗って、今泉力哉に4ヶ月振りに会った。

助監督である力哉を小道具作りに付き合わせ、朝まで色々なことを語り合った。何だかんだで知り合ってからもう6年。基本的に役に立たない助監督なのだが、奴がいなければ僕は不安で仕方がない。僕が3年間も燻ってる間に、こいつは短編を4本も作り、その内1本が映画祭でグランプリを2つも獲った。3年の間に相当な差をつけられてしまったものだ。彼が良い作品を作ったり、賞を獲ったりすると正直悔しい。でも落ちた時はもっと悔しい。

なんか知らんが微妙な関係だ。でもライバルだ。蹴落としてやりたい気持ちはありつつも、こいつの作品にカメラマンで参加する時には最大の理解者でありたい。なのにこいつは助監督のくせして僕の今回の脚本をちゃんと読んだのがつい最近らしい。全く持って最低な男だ。

最低な男が昨年の暮れに撮った新作、『最低』が今月末に渋谷で上映されるので告知でもしてやろうかと思う。「最低の監督、今泉力哉さんです!」って呼ばれたいとか云っていた。

ドロップシネマパーティー 2009 SPRING
日時:3月31日 21:00~開場 21:15~上映
会場:渋谷シアターTSUTAYA(東京都渋谷区円山町1-5 Q-AXビル2F)
料金:前売¥800 当日¥1,000
http://enbu.co.jp/zemi/c/dp09_spring/

残念な事に、この日は僕の撮影の最終日。なので観に行けないのだが、現場で大事な役割を担うべき立場である助監督が自分の上映会で現場に来ないとは此れまさに最低な話。

僕は3年振りとなる今回の1本で最低な監督の4作品分の差を一気に飛び越えるつもりだ。

だって僕、来月から無職なんだもの。

最低具合では、なかなか良い勝負だ。

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2009年2月22日 (日)

ズックにロック

4年前に作った『カタリナ』という短編映画の中に、手編みのマフラーという設定があった。

小道具として毛糸が必要だったのだが、さすがに普段から毛糸に関心を持たない人間が最寄の手芸店の場所を知っているはずもなく、オカリナを吹きながら白目を剥いてガニ股で高円寺の商店街を探して練り歩いたところ、ヤング向けのお店が立ち並ぶ中に一軒だけポツンと、可愛らしいおばあちゃんが一人で営む小さな小さな手芸店を発見。編み物を覚えたい旨を伝えて手頃な毛糸と編み針を選んでもらい、「やり方わかんなくなったら聞きに来てねー」と云ってくれたおばあちゃんの言葉に励まされ、一ヶ月かけてマフラーを一本編み上げた。

あれから4年。再び毛糸が必要になり、あのおばあちゃんが営む小さな手芸店に颯爽と毛糸を買いに行ったところ、お店が無くなっていた。何とも云えないこの気持ち。毛糸なんて別にその辺の百均行きゃ売ってるんだけど、なんだか…ねぇ。散歩道としてしょっちゅう歩いていると気づかないけれど、4年も経つと商店街の顔ぶれはガラっと変わってしまうものなのだ。

何とも云えないこの気持ちと花粉だけを除けば天気が良好だったので散歩をしてやったところ、そこでふと、歩きながら音楽が聴けたら良いな。と思い、ipodを買いに新宿に行った。

すげーすげー。すげーお洒落だねぇ。ipodって。こりゃ見てると欲しくなる。

友達が持っている一世代前のやつと違って、今出てるのってすげー小っちゃいんだ。
すげーすげーと云いながらアレコレ見ては回ったものの、色とか容量とか選択肢が多過ぎて決められず、専用のケースだけ買って帰ってきた。使い道が今のところ、無い。全く、無い。

話はガラリと変わるけど、今月で会社を辞めようかと思っている。撮影の日程調整が出鱈目に厳しく軽いノイローゼ気味なので、もういっそのこと映画を一本撮る為に無職になってしまおうという出鱈目且つ奇天烈なアイデアが浮かんだというわけだ。しかしすぐには辞めさせてもらえないと思う故、上司の怒りを買ってクビにしてもらうつもりでいる。28歳にもなって。

何か参考になる上司の怒らせ方はないものかと思い、そこはやはり東京東海大学の碑文谷教授でおなじみ、例の怒らせ方シリーズをyoutubeで検索したところ、非常に面白かった。

よって、この先極貧生活が予想されるこの昨今。

よって、ipodを買う予定は当分、無い。

買ってはみたものの、収める御本尊様を持たないipod専用のシリコン製のケースが、家に祭ってあるだけで使う予定の無いコンドームに似ているなと思い。部屋で一人、はにかんだ。

小一時間、はにかんだ。

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2009年1月17日 (土)

リニアモーターガール

ポリリズムポリリズムポリリズムリズムリズムリズムリズムリズム……。

年末年始の行事が色々と続き、ここ一ヶ月の間に4回ぐらいカラオケに行ったんだけど、必ず誰かがパヒュームを歌うのだという事が分かった。印税はすごい事になっていると思う。

でね、画面に流れるPVを見て、かしゆかの事が好きになってしまった。
かしゆかっていうのは大体いつも向かって左側にいる前髪パッツンの子ね。
でね、彼女の事を少し検索してみたところ、もっと好きになっちゃった、俺。

彼女は小悪魔だ。全て計算の上で男をメロメロにする術をわかっているに違いない。
現に今僕はメロメロだ。彼女を想い、胸を焦がし、眠れぬ夜を過ごしているこの昨今。

メロメロメロ。

おい、かしゆかよ、僕の邪魔をしないで頂きたい。
映画の準備で死ぬほど大変なんだ、ちくしょう。

ああ、今更ながら映画ってホント大変ね。
神経すり減らし過ぎなのか、久しぶりに血尿が出た。

そんな状態なんだもの、かしゆかの事をついつい考えてしまい勝手に癒される、俺。

あ、フォトアルバムにお正月の写真をアップしときました。
適当に覗いて、好き勝手に騒げばいいじゃない。

ポリリズムリズムリズムリズム♪

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2009年1月 6日 (火)

世界の終わりと夜明け前

お正月気分から抜けられず、いまだにフワッフワしてます。

なんかホント、色々あった。
アホみたいに笑ったり、その後で何やら感傷的になってみたり。

だからなんか、その時あった事やその時思った事なんかを色々書いてみようと思う。
先に云っちゃうけど、あまり面白い感じになりそうもないし、無駄に長くなる気がするので別に最後まで読まなくっても良いと思うんだけど。そのへんはまぁヨロシクって感じで。

年明けから故郷である豊橋に帰郷し、中学の同窓会に行ってきた。一体どういうアレなのか、総勢25人も集まった。いや、それ以上かな。三十路を2歩手前にして「ウチらも随分老けたよねぇ」なんて会話がそこら中を席巻してたクセして、結局4次会まで飲んじゃってんだからまだ一応若いっちゃ若いでしょ、アンタら。そして俺も。

全く持って、どういう話の流れでそうなったのかは忘れたが、中3の時に一番よく遊んでいたシゲルという男と3次会あたりで意見が衝突し、軽い口論になってしまった。民主党がどーたらとかホントくだらない内容だった気がする。我ながら色々情けない。それは彼を論破できなかった事にじゃなくって、「俺とは違うけど、そういう価値観もあるんだな。なるほどなるほど」という気持ちで対話ができなかった自分にである。他人の価値観を安易に否定してしまうという事だけは避けるように努めてきたつもりが、自分の価値観を否定された途端にカッとなって彼の事を否定してやりたくなってしまったのである。

そんなやりとりを冷静に見ていた大津という良心が、「どっちの言ってる事も正しいんだよ。しょうがないよ、それは」という感じで仲裁に入ってくれたのでそこで収まったけれど、そのまま続いていたらそのうち僕は話のテーマとは全く関係の無い部分を持ち出したりして、「こんな小さな田舎町で満足できてるお前ってホント幸せだよな」などといった最低な言葉を彼にぶつけていたに違いない。僕という人間は、そこそこ良心的に振舞っているクセに、本当は心の奥底で地元の友達に対してそんな風に思っていたりするんだ。

やりたい事を見つけて東京に行った、だとか、都会の荒波に揉まれながら目標に向かって生きてます、だとか、そんな風なカッコつけたポーズを会話の中にサラリと盛り込んでは、田舎で暮らす友達の事を心のどっかで見下したりしていい気になっている酷い人間なんだ。

その数時間前の会話でシゲルは、「今の電気関係の仕事を辞めてシャッター屋になりたい」とか云っていた。それを聞いた僕は、「そうか、それはスゲーな」という賛辞の言葉を彼に贈ったが、その裏側にあった僕の本音は、「なんか地味でつまんねー目標だな。俺の目標の方がお前のなんかより何十倍もスゲーんだよ」だったと思う。なんだけど、本音と云いながらそれもまた本音じゃなかったりする。それをもう一枚めくって剥がしてみれば更に裏がある事を僕は知らないフリして知っている。「漠然とデカイ夢を追ってるだけで、東京に住んでるってだけで、まだ何の結果も出してない俺って何一つすごくねーじゃん」っていうのがホントの本音。

どちらかといえば彼も昔っからカッコつけな野郎だったけれど、事実、彼の方が僕なんかよりも何百倍も頑張っているんだろうと思う。それに比べて何だ俺は?口先だけの言葉ばっかりがアフリカ象のウンコみたいにボロボロと排泄されるだけで気持ちなんてそこに置きっぱなしだ。一人で自己顕示欲満たして喜んでやんの。そればかりか、自分に正直になれない挙句、口先だけの自分の嘘にコロっとだまされてわけわかんなくなっちゃってやんの。

ヤベー。俺ってホントめんどくせー。
そう思ったあたりから、なんか、結構飲んじゃった。

午前2時を回ったぐらいだろうか。もう記憶が曖昧なんだけど、1/4ぐらいに減っちゃったメンバーで始めた4次会での会話で僕は自分のカッコ悪い部分を完全版とはいかないまでも、頑張って吐露してみた。そういう風な事を話しやすいメンバーが揃っていたっていうのもある。半分ぐらい懺悔っぽい感じになりながらも、なんか、みんな真っ直ぐに聞いてくれていた。

夜が明けそうな頃に駅前でみんなと別れ、家の方向が同じだった井口さんと同じタクシーに乗った。そういえば、小学校の頃から一緒で卒業以来十数年振りに再会した井口さんは息を飲むほど綺麗な女性になっていた。現在は結婚して子供もいるらしい。幸せそうだった。家に着くまでの間、タクシーの中で何かを話した。内容はほとんど思い出せない。ただ、4次会で話した僕のカッコ悪い部分に対して何かを云ってくれていた事は覚えている。よくある安っぽい慰めではなく、その時の彼女の素直な気持ちで何か前向きになるような言葉をかけてくれていたような気がする。頭に浮かんだだけの、誰にでも云えるような便利で曖昧で適当な優しい言葉を使って良い人に見られようという気配はまるで感じなかった。夜明け前の空を見ながら僕はその都度、うん、うん、と頷いていた気がする。

いつの間にかタクシーは僕の家の近くに差し掛かり、先に僕が降りた。車の中で云ってくれた彼女の前向きな言葉は、タクシーが見えなくなる頃にはもう思い出せなくなっていた。

優しい言葉ではなく、優しい気持ちだけが伝わった。それが嬉しかった。

今まで、そういう優しい気持ちで僕と接してくれた人は少なからずいたはずなのに。
今まで、僕は一体何人のそういう優しい気持ちに対して背を向けてきたんだろうか?

忘れたくないな。今のこの気持ち。
忘れたくないから、ここに書いてみた。

恥ずかしいから読まないでほしい。

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2009年1月 1日 (木)

いいあんべえ

Photo

新年明けました。

僕です。

これから朝一の汽車に乗って田舎に帰らなければならないという状況にも関わらず、持って行く靴下が一向に決まらず未だ部屋の中をウロウロしたり水飲んだり。幸先不安な2009年。

おめでとうございます。

氷川神社にお参りに行こうと外に出てみると、近所のマンションの2階からは男と女が性交を行う際に発せられるコケティッシュな声音が結構なボリュームで聞こえてくるではないか。

思わずタバコを吸うフリをして立ち止まり、その場で1分ほど試聴する僕。

賽銭箱の前でムラムラしながら真面目なお祈りを捧げるって、正月らしくていいじゃない。

お参りを終えて、さっきのマンションを通ったらまだやってやんの。

なんか、思わずもう一服する僕。

そういう正月。

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2008年12月16日 (火)

夕暮れ時のさびしさに

停められていた携帯が本日無事に復旧しました。

恐らく、大勢の美女から愛の告白メールが殺到していたに違いないので非常に悔しい。
ここ数日の間にそういった旨のメールをくれていた人がもしいたら、再度送ってください。

OKできるかどうかはわかりませんが。

最近カメラを触っていなかったので、正月はいっぱい写真を撮ろうと思っている。

それにしてもフィルムって現像代高いよね。ガンコで融通利かないし。
まぁ、そんなアナログなところが粋だったりもするので僕は好きなのだが。

初めて一眼レフを買ったのは二年前。中古カメラ屋のじーさんが見繕ってくれたお手頃価格な僕のレンズは、少しばかりの知識を得た事でそんなに良い代物ではないという事が最近になって解った。買い換えるかどうかは別として、どんなのが出回っているのか見に行った。

あまり予算も無かったので、今使っているレンズを査定してもらってそこそこ高く売れるようだったらその金額を足して買う。査定額が安ければまた今度の機会にする。といった計画で。

二年間愛用した僕のレンズをカメラ屋のオヤジに見てもらったところ、苦笑いされた。

「これは買い取れないよ。値打ちゼロだもん。屁みたいなレンズだよコレ」

「はぁ、屁みたいですか……」

屁みたいなレンズを二年間も使い続け、威風堂々買い取ってもらうつもりだった僕は居た堪れない気持ちで赤面してしまった。詳しく聞けば、ジャンク品で数百円程の価値しか無いらしい屁みたいなレンズ。屁みたいという事は、屁と間違われる恐れを秘めたレンズという事だ。

そんなモノ使いたくないと思えてきたので結局新しいレンズを買い換える事にした。

以前から欲しかったnikkorの85mmを思い出し、尋ねてみると、そのお店の在庫に16800円の美品と10800円のボロボロの並品が2点だけ揃っていた。迷う事無く後者の安物を選んだのだが、お会計直前のクリーニングの段階で絞りが壊れていて使い物にならない事が発覚。

「ありゃ~、これはちょっと売れないねぇ。どーしよ?」

どーしよ?じゃねーよ。何とかしろよ、オヤジ。

困っちゃったオヤジは何とかしようと他の店舗にかたっぱしらから電話をかけ、同一商品で状態の近いものが無いか調べてくれたものの、数分もすれば申し訳なさそうな顔でこう云う。

「どこも全滅。お急ぎでなければ入荷次第連絡って感じになっちゃうけど……急いでる?」

とりわけ、そんなに急ぎでもなかったので、

「急いでますねぇ。そりゃもう昼夜兼行で」

と、答えてみると、もう片っぽの高い方のレンズを同じ値段にして売ってくれた。

粋だねぇ。

カメラもオヤジも、アナログなところがやっぱり粋だねぇ。

にしても、「屁みたいなレンズ」はちょっと云い過ぎだ。

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2008年11月24日 (月)

チャイニーズ・デモクラシー

つい先日パソコンが壊れた。

よくわからんファイルをポチっと削除したらそれだけで起動しなくなっちゃうんだもの。

NECのサポートセンターに電話をして担当のオッサンに半ベソ状態で助けを懇願したところ、初期化するか、それが嫌なら修理業者を呼んでデータを復旧してもらうかの二択だと云う。

何を云うんだ貴様!

僕のハードディスクには書き溜めた脚本やら映像やら音楽やらエロ動画やらといった膨大な数の貴重品が詰まっている。特にこれまでの映像作品は金には代えられん僕の命のようなもの。初期化などとはとんでもない。僕の答えは決まっていたのですぐさま業者に電話をした。

「だいたいお幾らぐらいになりますかねぇ?」
「見てみないと何ともいえないですけど、データの復旧ですと6万~12万ぐらいですねぇ」

初期化した。

ああ、僕の全フィルモグラフィよ、さようなら。

全てをリセットし、また新たな気持ちで再出発した僕は、本日付けで運転免許も失った。

更新をしないまま丸一年が経過してしまったというカラクリ。

かつては飲料水を積んだトヨタの中型トラックでちょいと太めのワッパを握って田原街道を疾走し、右折左折を繰り返していた僕が今や車社会ではペーパードライバー以下なのである。

かつてはオリジナルカスタムを施したホンダの400ccアメリカンにまたがって伊那街道を疾走し、やはり右折左折を繰り返していた僕が今やママチャリ中学生と同等の扱いなのである。

まぁあれだ。多くの物を失う時期というのは何かを新たに得る時期とも云うじゃないか。
小室さん家の哲ちゃんなんかに比べりゃ僕なんてまだまだドン底から程遠い位置にいる。

しかし切ない。癒しを求めてクリスマスのイルミネーションを見に新宿まで繰り出した。

僕はクリスマスのイルミネーションが死ぬほど好きなのだ。この時期に街で山下達郎やワムやマライア・キャリーが聞こえてくるとそれだけで心の底からハッピーな気分になれてしまう。

純粋に楽しめないという人が結構多いけど、時期限定のイベントなのだから綺麗なものを見て綺麗だと喜んだ方が絶対に得だと思う。イチャつくアベックを妬むだなんて愚の骨頂だ。

寛大な気持ちでイルミネーション彩るタイムズスクエアを歩いていたところ、以前のバイト仲間であるキモという輩が背の低い可愛らしい女の子と手を繋いで歩いてきた。笑顔だった。

死ね!と思った。

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2008年10月 7日 (火)

赤黄色の金木犀

風に運ばれた甘い匂いで、昨日の帰りに初めて知った。
会社の入り口と、その近隣には金木犀が植えられているらしい。

そうか、季節は本格的に秋なんだな。

金木犀を話題にすること自体、老けてきた証拠なのだとは思うが、まぁいいじゃない。

「宮崎さんはどこで老後を過ごしたいですか?」

今日の夕方ぐらい。会社の先輩である宮崎さんに、こんな老けた質問をしてみた。

「実家の藤沢かなぁ……いや、鎌倉がいい。海が近いし」

「ああ、なるほど。海を見ながら楽しい余生を過ごすってのもオツですねぇ」

すると、「いや、いいよオレ、50ぐらいで死にたいんだ」

人生ホントウに楽しくなるのはそっからだと思うのに、若くしてお亡くなりになるとは残念だ。

短い寿命を楽しむというのもまた人生か。花と一緒だな。昨日知った金木犀の話題を出すと、「キンモクセイの匂いってのがオレ、イマイチわからないんですよー」と返されて、弱った。

それは人生ちょっと損してるな。と僕はそういう風に思った。
金木犀の匂いを知ったなら、もっと長生きしたくなるはずだ。

とはいえ、長生きしてもらうためにトイレの芳香剤を勧めるというのもなんだか気色が悪い。

会社の入り口だけでなく、その隣の民家にはもっとたくさんの金木犀が植えられているという事を宮崎さんに教えた。帰りに意識しながら民家の横を通れば一発でソレとわかるはずだ。

「じゃあ帰りにそこを通って匂いがしたらそれがキンモクセイの香りなのね?」

午後6時になるとそう云い残して、宮崎さんは先にタイムカードを打刻して帰っていった。
金木犀の香りを知らなかった事には驚いたが、良い事を教えてあげた気分で僕は嬉しい。

その数分後には、僕もタイムカードを打刻し、エレベーターの中で宮崎さんの顔を想像した。
その数分前には、民家の横で金木犀の甘い香りを初めて知ったであろう宮崎さんの顔を。

時刻は午後6時を少し過ぎたぐらい。

さっき宮崎さんに教えた通りに、自分も意識しながら金木犀が咲く民家の横を通る。

民家から漂ってきたのは、ダシの効いた煮物の香りだった。

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2008年10月 5日 (日)

スメルズ・ライク・ティーン・スピリット

映画の勉強をするためには、良い映画ばかり観ればよいというわけでもない。

小説でも芝居でもよい。たまにヒドい作品と出会うと、これが案外勉強になったりする。

こないだ読んだ小説がビックリするほどつまらなくて、貴重な時間を奪われた事に腹を立てたものだが、あまりにもつまらな過ぎる作品に出会うと、人間って逆に感心してしまうものだ。

そんなこんなで脚本の直しがあと一息のところまで迫っているのに邪魔が入る。

さっきやってた『涙そうそう』、見たひといる?

ヒドいヒドいとは噂で聞いてたもんだから、どのくらいヒドいものかと最後まで見た。ハードルを膝下15センチまで下げていた分、途中までは見れなくもなかったが、後半になるにつれて僕の先読みを大きく下回る冗談のような展開が次々と用意されていて戦慄が走ったものだ。

中学の文化祭で、教師が集まって披露するコントを見せつけられた時と同じ気分がした。

そういや守田先生、セーラー服着て踊ってたなぁ……。

んな事を考えていたら映画はクライマックスに差し掛かり、最後にまさかのビックリ仰天。

暗転した瞬間テレビの前で、「えぇ~!?」って声に出しちゃいましたとも。
ラストのあの終わり方を見て、10人中11人が「えぇ~!?」って云ったと思う。

適当な茶番劇の末に誰か殺して手紙読ませて、「はい、ここで泣いてくださいネッ!」

おいっ!

同じような経験をしている人ならばともかく、生まれて初めて映画を見たクロマニヨン人でもあんなもんで泣かないと思うぜボキは。制作側の安い考え方に対して今は涙そうそうである。

などと下手な洒落をキメとる場合じゃないんだお(^ω^)

加勢体臭はがんじゃキメとる場合じゃないんだお(^ω^)

〓しょうこ〓

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2008年9月26日 (金)

ヒズ・チョイス・オブ・シューズ・イズ・イル

ここ数日で随分と気温が下がってきたね。

半袖では若干シーキビな夜風が切ない季節を感じさせてくれる。

一年の中でも、僕は秋が一番好きなんだ。
なぜならば、それは夏が一番好きだから。

奇天烈かと思ったかい?まぁそう云わず、つまらない話を聞いておくれよ。

秋を感じるって事は、大好きな夏とのお別れを認めなければいけないって事だ。
それが僕を悲しくさせる。秋は僕をおセンチな気持ちにさせ、孤独感を倍増させる。

そんな悲しい秋が好き。
たぶん、僕はMなのだろう。

とはいっても、真冬の寒さはまっぴらごめんの方ですの。

どちらかといえば、ソフトなM。

秋といえば、水玉れっぷう隊のアキが好き。
どういうわけだか、彼を見るとドキドキしてしまう。

とはいっても、僕はホモじゃない。

どちらかといえば、ソフトなM。

経済的に苦しかった今年の上半期、嬉しい事に僕はたくさんの人たちに助けてもらった。みんな本当にありがとう、多少マシになった今だから、少しずつお返しをしていく事にしている。

農家に嫁いだ同級生が送ってくれた野菜のお返しに、一昨日送ったプレゼントが今日届いたらしく、間の下手くそな留守伝と異常なまでにハートマークを乱用したメールが2通届いた。

予想以上に喜んでくれていた事が、涙が出るほどに嬉しかった。

帰りの電車内、メールを読みながらニターっと笑ってしまい、真向かいのOLに見られた。

変態かと思ったかい?それは間違ってるぜ。

どちらかといえば、ソフトなM。

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2008年9月 9日 (火)

パンピン・オン・ユア・ステレオ

日曜の午後に何気なく見ていたトーカ堂テレビショッピングが面白かった。

テレビに映っていたのは、思い出話を交えながらジャノメのコンパクトミシンを一押ししている北社長とアシスタントの女性、そして大袈裟なリアクションを披露してみせる錦野あきら氏。

足元のフットスイッチを踏む事で両手が使えるという極めて当たり前の機能を説明すると、観覧のおばさん集団から「えぇ~!」だの「わぁ~!」だのと、一斉に飛び出す感心のため息。

やはり気になるのはそのお値段。

「糸通しと24種類の糸もお付けして、これ……1万え~ん」

最初は見るともなしに見ていたのだが、後半はもう釘付けに。
最後に登場したブラックダイヤモンドネックレスが本日の目玉らしい。

やはり気になるのはそのお値段。

「セットのイヤリングもお付けして、これ………19万8千え~ん」

絶対買わないであろうおばさん集団による歓喜の叫びがスタジオを席捲して終了。

なんて面白い番組なんだ。

翌日、この面白さを誰かと分かち合いたいと思い、同じ番組を見ていた人がいないかと仕事場で訊いた回ったのだが、「見てるはずがねぇ」という意見が100%だったので悲しくなった。

とは云っても、日曜の午後にそんなもの見てる人間が大勢いても、それはそれで悲しいが。

唯一、庶務の女の子だけが「来週同じ時間にやってたら絶対見ます!」と食いついてくれた事に辛うじて癒されはしたものの、笑点の時間と重なるようなら見れないかもしれないとの事。

窓から吹き込む涼しい風に、秋の訪れをそっと感じた。

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2008年9月 6日 (土)

ボクとカエルと校庭で

ここ数日、告知ばっかでごめんなさいね。

同期の力哉君とカポー君の作品が揃って水戸短編映画祭に入選しました。
http://www.mitotanpen.jp/lineup/competition.html

ちなみにカポー監督の『機械人間、11号。』は僕が俳優として名演技を披露している見どころ満載の作品である。スティーブン・セガールも腰を抜かす危険なアクションシーンにスタント無しで挑んだ撮影は、小岩の区民館の一室を使って3時間程で撮り終え、サッサと帰った。

実はまだ僕も観ていないので、一体どんな塩梅なのか分かったものじゃない。
マシンガンをぶっ放すのは初めての経験だったし、これから趣味にしようと思う。

15日に上映という事で、水戸に用事があるという人はジャスコ帰りに是非どうぞ。

何の脈略も無くみうらじゅんを描いてみたところ、案外描けてしまった。

Photo

みうらじゅん曰く、高円寺は日本の小さなインドなのだそうだ。

仕事帰りに近所のセブンイレブンでレジに並んでいると、僕の後ろに並んでいた刺青だらけのお兄さんがチョコレートのコーティングされた菓子パンを弄ぶように投げてはキャッチしていたので、怖いなぁと思いつつもビクビクしながら振り返ったところ、それは中村達也だった。

これから甘い菓子パンを買おうとしている中村達也に、

「握手してください!」とお願いする勇気が僕には無かった。

押忍!

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2008年9月 1日 (月)

さよならだけが人生だ

先日AXで行われたイカ天の全模様が本日からウェブサイトで配信されちょります。

このページからバッチリ見れます。
http://transform.jp.msn.com/ikaten/winner.htm

2番手のatamazはチャプター1の中盤辺りで見れます。そしてチャプター4ではグランプリの発表とチャンピオンによる2度目の演奏なんだけど、これがまたとても良い表情なのである。

他の出演バンドも素晴らしいので最後まで是非。特にオバメタルの演奏はたまらない。あまりの上手さに客席で見ていた僕は腹がよじれるぐらいに笑ったものだ。イベント終了後、会場の裏口で化粧を落としたドラムのお姉さんとすれ違った際、とても良い匂いが鼻をくすぐった。

昨日はチャンピオンから分けてもらった賞金に初めて手をつけさせて頂いた。

PV撮影のメンバーで軽い打ち上げをした後、atamazのライブを観にベースメントバーに移動すると、PVに出ている愛里ちゃんがそこら中で軽い有名人になっていてそれが嬉しかった。

おいおい、まだこんなモンじゃ終わらねぇぜ?
『Aoi』のPVから一変、次の映画の中では「うんこうんこ」と、うんこを連呼。

ライブ終了後、酔っ払いながら「うんこ楽しみです!」とか云っている彼女を見て、

何だか申し訳ない気持ちに、ええ、なりましたとも。

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2008年8月27日 (水)

天井裏から愛を込めて

歴史的瞬間に立ち会う事が出来てしまった。

会場はSHIBUYA-AX。

イカ天onWEB2008ファイナリストの全グループが演奏を終え、300組以上の頂点であるグランプリを発表すべく、審査員長の後藤次利氏がステージ中央でマイクを握り、もったいぶる。

次に彼が言葉を発した瞬間、僕はこれ以上無いぐらいの大声を上げて叫んだ。

「グランプリアーティストは………アタマズ!!」

彼らの優勝を信じて疑わなかったくせに、その瞬間まるで信じられなかった。

それほど親しくなかったにも関わらず、atamazの応援に駆けつけたchicken head makerのメンバーと抱き合い歓喜に咽び、持てる精一杯の声を振り絞って叫んだ、叫んだ、叫んだ。

atamazは今この瞬間、全国から応募した凡そ300組の頂点に立ってしまったのである。

Atamazgp

審査員のひとりである、メガデスのマーティ・フリードマンが流暢な日本語でatamazの演奏とアレンジ力を絶賛。続いて後藤次利氏もピアノのアレンジを絶賛、もうひとりの審査員である千秋は、可愛かった。ものすごく可愛かった。現在独身。僕にもチャンスはあるだろうか?

そして優勝アーティストだけに権利を与えられる二度目の演奏が始まる。
SHIBUYA-AXという会場で堂々たる彼らの演奏に、不覚にも涙が出そうになった。

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イベント終了後は大勢の報道陣に囲まれたらしく、入り口でCDを無料配布していたブースはもぬけの殻だったので彼らに代わってCDの配布を手伝った。グランプリが決まった直後だけあって、atamazのCDを求める人がもの凄い勢いで殺到する。出場していた別のバンドの追っかけの女の子なんかも「CDください」って近寄ってくる。それが自分の事のように嬉しい。

搬入口から声をかけに行くと、優勝賞金である100万円を手にした彼らから、その半分の50万円を手渡されてしまった。正直云って僕はたまたま彼らに出会い、PVを撮って、たまたま知ったイカ天に応募しただけだ。グランプリを獲得したのは彼らの実力であり、僕はそんなに関係ないはずなのだが、メンバー同士で話し合ったのか、賞金の半分を貰ってしまったのである。

事前にそういった約束をしていたわけではなかったのだが、然も当たり前のようにくれた。

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ボーカルの西さんが笑っている目の奥で、「この金で良い映画撮りなよ」と云っている気がした。初めて目の当たりにした金額のぶ厚さは相当なプレッシャーではあるものの、僕が彼らに期待している分、彼らも僕に対して期待してくれているのかもしれないという風に解釈した。

その後は応援に来てくれていた人々を含めて幡ヶ谷での打ち上げ。既に何人かは目を赤く腫らしている。そのキッカケのほんの一部に、自分が居させてもらえているという事がとても嬉しかった。「PVすごく良かったよ!」そう云ってくれる人もたくさんいた。本気で嬉しかった。

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終電が無くなる時刻まで余裕で飲み続け、現金50万円という大金を持った僕は何の躊躇も無しにタクシーを拾うと、セレブリティ気取りの僕に西さんが遠くからこんなふうに叫んだ。

「まずはお前借金返せよ!」

ああ…そうだった。

mixiニュース
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=589451&media_id=54

yahooニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080826-00000003-oric-ent

Googleニュース
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/22929.html

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